8月24日(火)
僕の部屋から歩いて2分ほどのところに図書館があります。
スペイン語やカタロニア語による書物や雑誌、文化遺産の映像や英会話のためのDVDやCDR,
その他インターネットなどもできますが、僕にとってありがたいのは音楽CDが無料で借りれることです。
クラシック、ジャズ、ポップス、フラメンコと幅広くありますが、
やはり自国のスペイン音楽は豊富に揃っています。
アルベニス、グラナドス、ファリャ、トゥリーナ、モンポウ、ロドリーゴといった国民学派や近代学派は当然のことですが、
トマス・ルイス・デ・ビクトリアをはじめとするルネッサンス期の作曲家による弦楽曲や声楽曲には、
この時代のスペイン音楽が想像以上に豊かであったことを思い知らされました。
またファスチやアリアガなどバロック、古典期の作曲家の作品は、
いかにもスペインのキリスト教文化を感じさせられます。
特にアリアガは20歳で亡くなるという痛ましい早世にもかかわらず、
美しい弦楽曲の数々には心打たれるものがありました。
フラメンコに関してもパコ以前のギタリストのものをいくつか聴きました。
ラモン・モントーヤの演奏するファルセータの中に、現代のギタリストの源を感じるのは興味深いことです。
その他国際的には有名ではないギタリストのものや、カンタオール(フラメンコ歌手)などもずいぶん聴きました。
スペイン音楽にどっぷりとハマってしまっています。


8月19日(木)
去年8月12日、初めてスペインに来て以来1年が経過しました。
そして19日はちょうど、このアパートに入った日です。
アパートが決まるまでの1週間は本当に辛く、部屋を見学に行くにも地理も交通も全くわからず、
地図を片手に炎天下の中、あちこち歩き回りました。
部屋に入ったもののしばらくは寂しく、特に夜、ゴミを出しに行くときなど、
「なぜこんなところに1人で暮らしているんだろう?」という不思議な思いがしたものでした。
今となってはすっかり慣れましたが。
この1年を振り返ってみるとコンクール、講習会、学校などでのレッスンの受講や聴講といろいろな機会に恵まれ、
また音楽以外にも様々なものを吸収できたと思います。
今までの生まれ育った環境にはなかった生活や文化、価値観などを知ることができました。
もちろん音楽性もかなり変わってきたと感じています。
これからはさらに積極的に行動し、楽しんで勉強していきたいと思います。


8月15日(日)
友人に誘われ、ラ・フィエスタ・グラシア(グラシア祭り)に行ってきました。
このフィエスタは100年以上の歴史のある大変盛大なもので、
バ ルセロナを目抜きに通るグラシア通り周辺を、様 々な団体が演目を披露しながら行進してゆきます。
鼓笛隊に乗って踊られるこの地方の民俗舞曲、
人間の城という日本で言うところの組体操のようなもの、中世の衣装を纏い馬に乗った集団の行進、
猟銃サークル、または狩猟サークルのメンバー、といった感じのおじさん達による空へ向かっての砲撃など、
そのどれもが古い時代のスペインを感じさせるものでした。
特にオーボエ類の、この地方の民俗楽器らしきものによる演奏は、
音色、音楽共にいかにも、、、といった感じで大変感銘を受けました。
そしてスペインのフィエスタには恒例の、馬鹿デカい人形がぞろぞろとやってきました。
鍬を持った労働者のもの、粉屋の女房(?)といった感じのもの、地方の有力者らしきものなど、
これらには一体どんな意味があるのだろうと思いましたが、
もともとこのフィエスタはバルセロナの労働者達の集落から発祥したものとのことです。
これらの人形は、自分達の姿を表現したものなのかも知れません。
最後に、やってきました!という感じで、火の粉を撒き散らすたいまつを持った集団がやってきました。
これは以前行ったサン・ホアンの火祭りとほとんど同じものでしたが、スペイン人の火遊びの好きなこと・・・。
彼らにとってはスリルを味わうための恰好の材料なのでしょう。
一つ違った点は、大きなドラゴンの人形が用意されており、
その口からものすごい勢いで火の粉が飛んでくるというものです。
火の後の爆発音もすごいもので、写真は撮りたいけれども耳もふさがなければならない、
というジレンマに一瞬、陥ってしまいました。(笑)
その後、有名なカンパネラ・デ・グラシア(グラシアの鐘)のある広場でいくつかのイベントが催され、
夜中までロックバンドやポップスユニットによるコンサートが行われました。


8月7日(土)
本日も観光し、その際に撮った写真を PHOTO欄にアップしました。
Landscape6は今も現役として使われているサン・パウ病院ですが、
病院とは思えないほど、豪華な装飾が施されています。
キリスト教建築とイスラム建築が融合している上に、いくつかの時代様式が織り交ぜられているため、
広大なその敷地を歩いていると、スペインでもヨーロッパでも、
またはアラビアでもないどこか別世界に来たような感覚にとらわれます。
Landscape7はグエル公園。
夏休みということもあり、世界各国からの観光客にあふれていましたが、
サグラダファミリアにしてもカサミラにしても、ガウディは亡くなって今なお、
これほど多くの人にメッセージを伝えることができるというのは、とても幸せなことなのだと感じます。
ここはもともと住宅地として計画され、遊歩道や市場や教会などの公共施設などが建設されましたが、
パトロンであったグエル氏の死去によって未完に終わり、その後はバルセロナ市の公園として親しまれています。
自然を取り入れた奇抜な設計と、田園都市としての必然性が共存した偉大な作品です。
1枚目は入口正面からのもの、2枚目は公園のシンボルになっているモザイクのトカゲ、
3枚目は海の波を表した遊歩道、4枚目は傾斜柱、
5枚目は市場に使われるはずだったという一画、6枚目はお土産物屋さんです。
この公園は丘の斜面にあるため、バルセロナ市街や遥かな地中海を一望することができます。
7,8,9枚目にはそれらの景観をアップしてみました。

話は変わりますが、このHPのトップの画像も変更しました。
以前のものについて「トップの画像は、顔が分からない」というメールをいくつか頂いていた上に、
先日変更したINFOの画像についても「暗くてよく分からない・・・」という反応があったため、
今回はグエル公園の頂上、太陽の降り注ぐ中で撮影しました。
(一緒に出かけた隣の部屋に住むブラジル人のおじさん撮影。)
素晴らしいアングルです。なぜか僕は右側すれすれに写っているけれども、
公園の緑を手前にバルセロナ市街、その向こう右手にモンジュイックの丘、左手に地中海と壮大な眺めです。
個人的にも思い出に残りそうな、いい写真を撮って頂くことができました。
これからもこのHPの不備やご要望などありましたら是非ご連絡ください。(笑)

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